猫好き女の雑記

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3月15日TEAM NACS第16回公演PARAMUSHIR@赤坂ACT観劇感想

3月15日(木)に赤坂ACTでNACSのPARAMUSHIRを観てきました。

NACSの生舞台を観るのは多分これで3回目(WARRIOR、悪童、当公演)。

WARRIOR以来の森崎演出の舞台ですね!待ってたよ~

まだ観ていない方は回れ右!することをオススメいたします。

 

で、最初にPARAMUSHIRが発表されたときの純粋な感想が

「ついに戦争ものやっちゃうの…?しかも史実に基づいて…?」

って感じ。いや、確かに過去に彼らはWARでも戦争ものをやってたんですけどね。

でもあれは特定の事件とかを元にしたのではない。しかし、今回は占守島の戦いを題材にした完全な戦争ものの作品だという風にとらえました。

 

これは私個人の感想なのだけど、個人の思想・歴史の考え方が反映される戦争ものは発表時から身構えるものがあった。しかも今回はその中でも北方領土を舞台にしたもの。

彼らの出身が北海道なのは承知のうえだし、実は私も元道民。

特に北方領土については内地(本州など)の人とは多分捉え方が違います。

 

というわけで、北方領土を舞台にした戦争ものはかなり個人の思想が反映されてそうでイヤでした。

どうかNACSの舞台では、どの国が悪いとかこうあるべきとかそういうことは言って欲しくない。そんな気持ちだった。

 

そんな感じの気持ちを抱きつつ、観に行きました。

結局見事に泣かされましたね…笑

 

私の不安も杞憂に終わり、「占守島の戦い」とそこで戦った兵隊がいたことをただ彼ららしく素直に描いている作品でした。

 

舞台最後のセリフを聞いて、森崎さんが本当に伝えたかったことが分かった気がします。

北方領土の最果てで日本を守るために戦った軍人がいたこと、そして今そのことを知っている人はほとんどいないこと。

 

PARAMUSHIRのタイトルが発表されたとき、私のように一旦ネットで調べた方もいるのではないでしょうか?

 

どうやって読むのだろう、どういう意味なんだろう…などなど。で、戦争ものだと気づいたときに一瞬身構えてしまった方もいると思います。

今回の舞台を観るのが怖くて、まだ観ていないという方もいるでしょう。

でも、そんな人にも観てほしい舞台でした。森崎さんの、ただ北海道であったことを知ってほしいという気持ち、それがこの舞台を作っているのではないかあと思う。

 

そしてなにより道民には知っていて欲しい事実だと思った。

北海道での社会科ではよくアイヌ北方領土のことが語られるけど、この戦いについて知っている人は少ないのではと思う。

今回の舞台は他の作品よりもずっと重いです。他の人に簡単に勧められるかというと迷うレベル。それでも森崎さんが少しでも伝わるように、と一生懸命に作りあげた作品ではないかなと思いました。そしてその気持ちは少なくとも私には伝わりました。周りの人も老若男女見入ってた。

 

NACSの舞台という目線で言うとちょっと物足りなさがあったりもっとド派手なシーンがあってもいいんじゃない!?と思うようなところもあったけど、これはこれでしっとりと作り上げてていいかなあとも思ったり思わなかったり…笑

 

あとはアンサンブル、すごく良かった。悪童とか昔の作品みたいに5人でやる舞台も好きなんだけど、 途中の戦車の上で死体が蠢くシーン、あれはアンサンブルなしではできない演出でしたね。NACSの舞台では珍しい演出のように感じた。

 

色々と書いたけれど悪童以来のNACSの舞台、素直に楽しめました。

NACSの皆さんありがとうございます。これからも舞台楽しみにしています。